缶詰の賞味期限切れ4年は食べられないの?

2021年6月19日

保存食や日々の食卓用のストック食材としてどのご家庭にも必ずと言っていいほど保管されている缶詰。

年単位での保存が効くので、災害や非常用の食品としても多く使われています。

缶詰の賞味期限はとても長く、食品としては最長の部類に入ります。

中身によって多少の違いはあるものの、ほとんどの缶詰は製造日から3年間を賞味期限としています。

まさに非常食と言える、頼もしい存在です。

しかし、このおよそ3年の賞味期限をすぎてしまった缶詰の中身はどうなるのでしょうか?

普通に考えると食品が3年間も美味しさを保っているというのは信じられない長さなのでそれ以上が経過した缶詰は開けることもちょっとためらわれるかもしれません。

今回は、賞味期限が切れた缶詰はどのようになっているのかまとめてみました。

製造から4年経過した缶詰はどんな状態?安全に食べられる?

缶詰の賞味期限はおよそ3年。

そこからさらに1年経った製造から4年経った缶詰はもう腐ってしまっているのでしょうか。

結論から言うと、缶詰に入った食品は未開封で適切に保存されていれば、実はほぼ半永久的に食べられると言われています。

賞味期限はあくまで美味しさを保っていられる期間であり、缶詰についてはそれを大幅に超えたところで問題なく食べられるのです。

むしろ賞味期限から1年ほど経過したくらいでは、まだほとんど味の劣化を感じられないかもしれません。
もし、ご自宅の非常用食品の中に賞味期限切れの缶詰を見つけても慌てて捨ててしまわないようにしてくださいね。

なぜそんなに長持ちするかと言うと、その理由は缶詰が密封される過程にあります。

缶詰はまず滅菌状態で中身を詰めた後封をして、中の空気を抜きます。

しっかりと密閉された後、缶詰ごと加熱処理を行い、中身の雑菌を完全に殺菌します。

食品が腐る条件には温度・水分・酸素・微生物の4つがあり、要素が組み合わさることによってどんどんと腐敗が進んでいきます。

缶詰はこの4つの要素を全て取り除いて密封しているため、内部で腐敗が起こらないのです。

理論上缶詰の中では腐敗や菌の繁殖が起こらないのですが、実際のところでも100年以上前に作られた缶詰も問題なく食べられたと言う実験もあるのでその保存能力は実証されています。

ただ、これは完全に未開封の状態であることが条件なので、一度開封してしまった缶詰は早めに食べなければいけません。

開封後の缶詰の中身は生ものと同じです。

冷蔵庫に入れて2日〜数日以内には食べきるようにしましょう。

その際、缶詰ごと冷蔵庫保存するのではなく、ふたができるタッパーやチャック付き保存袋に移し替えると少し保存性が高まります。

缶詰の保存性能はとても優秀!備蓄用として適切に保管するには

缶詰が大変優秀な保存能力を持っていることをご説明しました。

条件はあるにしろ、ほぼ半永久的に食べられると言うのですから驚きです。
災害用備蓄としてたくさんストックしていても安心ですね。

しかし、そんな缶詰でも弱点は存在します。

悪条件が揃うと、缶詰も破損や腐食を起こし、中身も腐ってしまう可能性があります。
備蓄用として長期間保管するためには、きちんと適切な環境下で缶詰を保管しておく必要があります。

缶詰にとって良くないのは下記のような環境です。

①高温になる場所
②直射日光が当たる場所
③水回りや湿度が高い場所

温度の高くなる場所や、直射日光に当たる場所に缶詰を長い時間置くと、中身の温度が上がって膨張が起こったり味や品質が落ちる可能性があります。

また膨張がきっかけで隙間が開いてしまうとそこから空気や雑菌が入り込んで腐敗が始まり、食べられなくなることも。

水回りや湿度の高い場所は、缶に錆が発生することがあり、この錆は缶にとって大敵。

缶自体が水分によって腐食してしまうと、そこから錆が進行して中身に悪影響を与えたり、缶に穴あきができて先ほどの膨張時と同じく雑菌の繁殖が起きてしまいます。

落とした時にできたあからさまな破損や穴あきであれば気づくことができますが、膨張や腐食によってできた穴はとても小さいことがあり、見た目でわからないレベルのこともしばしば。

そうなると缶詰の中身が傷み始めている事に気づかないまま保管し続けてしまい、いざ食べようと思ったら食べられる状態ではない…なんて事態も起こりかねません。

そうならないためにも、缶詰はできれば25度以下の風通しがよく湿気がこもらない場所で保管するのが望ましいですね。

せっかく非常用食品にもなるほどの保存能力を持った缶詰ですので、その利点を最大限活かせるよう、保管場所には気をつけるようにしましょう。

まとめ

災害時の備蓄食料としてはもちろんですが、缶詰は普段の生活でも体調が悪くて買い物にいけなかった時や後一品何かおかずが欲しいときにも便利。

調理なしで食べられる缶詰を常備しておくと心にも余裕が生まれます。

基本的には賞味期限は3年間であると念頭において、期限内に食べてしまうのが味的にも品質的にも安心ですが、賞味期限後1年くらいであればほとんど変化もなく口にできるのは缶詰の高い保存性のありがたさですね。

せっかくの缶詰を無駄にしないよう、保管場所には気をつけながら、便利な缶詰を賢く利用しましょう。

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