ガムには賞味期限記載がないって本当?
多くのお菓子メーカーからいろいろな種類のガムが発売されています。
シュガーレスや低カロリーを売りにしているものも多く、ダイエット中の口さみしいときのおやつにも罪悪感なく楽しめますね。
また、匂いの強い焼肉やラーメン、餃子といった食事を摂ったり、お酒を飲んだあとの口の中のリフレッシュにも大活躍。
ミントの刺激がガムは食べるとスッキリとするので運転の眠け覚しに、車内にボトルのガムを常備している方もいるでしょう。
実はそんなガム、パッケージに賞味期限が書かれていないということをご存知でしょうか?
ガムは腐るイメージがないので、あまり賞味期限について確認する事はないかもしれませんが、試しに見てみると確かにどこにも賞味期限の記載がありません。
これは、ガムには賞味期限が存在しないということなのでしょうか。
今回は、ちょっとしたトリビアネタにもなるガムの賞味期限の秘密について解説します。
意外と知られていないので話題作りにも役立つかもしれませんよ。
ガムに賞味期限がない理由とは!トクホのガムには賞味期限がある?
多くのガムには賞味期限が記載されていないことに前項で少し触れました。
食品には当たり前のように記載されている賞味期限ですが、なぜガムは同じ食品のくくりでありながら賞味期限が書かれていないのでしょうか?
その秘密の一つめは、材料と水分量にあります。
ガムは「ガムベース」と呼ばれる樹木から採れる植物性樹脂をメイン材料として作られています。
そこに砂糖や甘味料で甘さや味を加え、様々なフレーバーを足していく事で美味しいガムができ上がるのです。
このガムベースは物体としてとても安定しており、常温下ではほぼ変化を起こしません。
気温が高くなる夏季でも、湿度が高くジメジメした場所に置いていても、安定した状態を保ち続けることができます。
次に二つ目の理由として、ガムはほとんど水分を含まない食品だということ。
食品の賞味期限は様々な角度から腐りやすさや品質保持の面を考慮して設定されますが、この水分量も大切な基準のうちの一つ。
水分を多く含む食品は腐敗が進みやすく、傾向として賞味期限が短めになります。
乾燥した食品の賞味期限が長いのと同じで、水分量が極端に少ないガムは、腐敗の原因を持っていないと考えられています。
この2つの要因からほとんど状態変化をしないので、ガムには賞味期限の表示が無いのです。
しかし例外として、賞味期限を表示する事が義務付けられているものもあります。
それは特定保健用食品、通称「トクホ」のガム。
キシリトールを使っているガムで、虫歯の予防・歯を強くする等の効果が期待できるものに関しては賞味期限を記載しなければなりません。
それは「トクホをして認定されるための成分が正常に効果を保っている期間」という意味で設定される期限です。
つまり、賞味期限が切れてしまっているトクホのガムも、食品として腐ってしまったと言うわけではありません。
お菓子のガムとしては問題ないですが、トクホとしての健康機能は失われているかもしれない、という状態です。
まとめると、ガムは長期間にわたって保管してもほぼ品質の変化が起こらない食品です。
もし家やカバンの中から購入時期を忘れてしまったガムが出てきたとしても、基本的には食べる事ができます。
ガムを美味しく食べる為の保管方法と食べられないガムの見分け方
ガムには賞味期限が記載されないことと、その理由について解説しました。
口に入れるものではありますが、安定した状態を保つ能力が極めて高いガムは、たとえ長い期間放置されていたものでも、慌てて廃棄する必要はありません。
ただ、乾燥してパキパキになったり、フレーバーが飛んでしまって風味が悪くなったりという劣化が多少はありますので、美味しく食べる目安は1〜2ヶ月程度と考えておくのがいいでしょう。
ガムの保管方法ですが、基本的にはそのまま常温下に置いておけばOKです。
使用している材料の性質で、暑い場所では柔らかく、寒い場所では固くなりますので、たとえば気温が高くなる密閉空間や、10度以下の冷蔵庫の中に入れるのは適しません。
あまりに暑い環境の中に長時間放置すると、溶けてベタベタになることもあるので、夏場の室内や車内には放置はしないよう注意してください。
また、吸湿する性質も持っているので、水回りや湿気の多い場所も避けたほうがいいでしょう。
・包装紙にくっつくほどベタベタになっている
・乾燥して噛めないほどカチカチ
・色や香りが元のものより大きく変化している
上記のような変化がガムに見られたら、食べるのはやめておくべきです。
体に大きな不調をきたす程の悪影響はないかもしれませんが、味の面でも大きく落ちますし、特にベタベタになったものは、表面に微細なゴミや細菌がついてしまっている可能性も。
たくさんガムを買い長期間にわたって食べる場合には、ボトルガム容器のプラスチックのケースやふたができるガラスのビンなどに入れます。
直射日光の当たらない引き出しや棚の中が保管方法としては理想的でしょう。
まとめ
ガムに賞味期限の記載がない理由は、ガムの原料がとても安定した性質を持つもので気温や環境によって品質が左右されないからでした。
また、水分量が極めて少ないので腐る心配がないというのも大きな理由です。
ただ、トクホ製品に関しては賞味期限があるというポイントだけ覚えておけば、ガムの扱いの知識としては十分です。
会社のデスクや車内に常備したり、カバンやポケットにさっと入れて携帯できる、気軽なリフレッシュ剤であるガム。
これからは買ってから時間が経ってしまっても「これって食べられる?」と不安になることなく安心して楽しめますね。